2019年8月21日水曜日

『太陽にほえろ!伝説』


 写真集が終わったと思ったら、またか!まだ続けるのか!いや、もうこれが最後です。分かんないけど。つーわけで、これまた先月に買った『太陽にほえろ!伝説 疾走15年私が愛した七曲署』(岡田晋吉著)、読了。『太陽』の生みの親であり、プロデューサーだった岡田晋吉氏が、番組終了10年目の96年に執筆発行した本。ファンなら知ってるであろー裏話的なものはだいたい知ってたので、特に目新しい新事実はなかったけど、全286ページすいすい読めてしまった。この本も写真集同様、定価1,600円の2~3倍のプレミアが付いてたんすけど、古本屋で帯付きがワンコイン以下で買えたので、ラッキー。表紙が濃いぜ!

 文中写真のほとんどは写真集とカブってたけど、マカロニ殉職後(露口氏の笑顔やショーケンの両肩に手を置く小野寺氏が微笑ましい)や、山さん殉職前のオフショット写真は未掲載だったので、嬉しい。


 と、これにかこつけて、写真集でハンパに終わってしまった86年1月放送の第678話「山村刑事の報酬なき戦い」から同年11月放送の最終回、第718話「そして又、ボスと共に」までをまた語るぜ。ちょっとだけ。

 この間は、山さんの殉職→ボス2度目の欠場→デュークの本庁への転任→本庁捜査一課より渡哲也氏演じる「橘兵庫(警部)」と、葛飾柴又署派出所より西山浩司氏演じる「太宰準(DJ)」着任→ボス復帰。

 第691話「さらば!山村刑事」で、オリジナルメンバーとして長きに渡って一係を支えてきた山さんの殉職。僕は山さんだけは殉職させるんではなかったと今でも思ってるんですが、それは『太陽』の「象徴」がボスなら、山さんは『太陽』を「具現化した存在」だったからで、山さん亡き翌週からの一係の空気といったら…。そこにきて、裕次郎氏が肝内胆管炎のため、再び入院。

 既に山さんもおらず、当初は草薙幸二郎氏演じる4代目署長「大和田署長」が指揮を執るも、設定的に不自然だったため、渡氏が登場。これで一気に『西部警察』色が強くなる。だが、裕次郎氏の病状が重いため、第718話を以って14年4ヶ月の長い物語に幕が下ろされます。最終話、復帰したボスが犯人の妹に兄の居場所を聞き出す場面では、裕次郎氏が「このシーンを俺にくれ」と言い、7分間に渡って命の尊さを説き、また、先に亡くなった沖氏が演じたスコッチにも触れるオールアドリブ。


 この収録後、すぐにまた病院へ戻った裕次郎氏。残る12本分の脚本を消化するため、「最終話の後、ボスは本庁に栄転。そして1年後…」というありきたりな設定で『PART2』が開始。裕次郎氏が最も尊敬していた奈良岡朋子氏に演じる「篁(たかむら)朝子」が新ボスとなり(呼び名はフツーに「係長」)、寺尾聰氏演じる「喜多収」も新加入(ニックネームなし)。そして、オリジナルメンバー唯一の生き残りである長さんが現場に復帰し、かつての山さんの様に篁係長を補佐。係長の交代も、長さんの復帰も、喜多の新加入も特に触れられず、しれ~っとフツーに走り去り、87年2月放送の「さらば!七曲署」を以って、『太陽にほえろ!』は完全に終了。

 そして、同年4月20日、52歳で石原裕次郎氏が亡くなりました。結果的に「そして又、ボスと共に」が遺作となったわけです。こんなドラマ、もう出て来ないだろうなぁ。

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