5日間に渡ってたらたら長々延々と書いてきた『太陽』のお話も、今回で終了。前巻からまたまた2年後、86年発売の『太陽にほえろ!名場面集5』(日本テレビ放送網編/小西康夫撮影)。今巻では84年1月放送の第584話「盗聴」から85年12月放送の第677話「あなたを告訴する!」までを収録。てっきり最終話まで載ってると思ったんだけどなー。軽く調べてみたけど、6巻ってのは発売されてないみたい。
この間は、ボギーの殉職→本庁より石原良純氏演じる「水木悠(マイコン)」着任→ラガーの殉職→城西署より金田賢一氏演じる「島津公一(デューク)」着任。
80年代に入ると、初期のギラギラした男臭さは鳴りを潜め、代わって当時のスタイリッシュな絵面となり、加えてカーアクションが急増。覆面車は、クラウン、クレスタ、ソアラ、スープラといったトヨタ車に統一。中でもセリカXXの活躍は印象深く、カナダやフランスなどの海外ロケでも海外仕様の同車を使っていました。
第595話「マミー激走」は、そんなカーアクションが全編に渡って繰り広げられます。スタントの半分は、国際A級ライセンスを持つ長谷氏が実際に運転。カースタントマンの犯人が操るフェアレディZ相手に、改造したE70カローラの覆面車で対抗するマミー。
第632話「おそろしい」。ひき逃げ事件を目撃したトシさんは、老ドライバーが運転するタクシーで追跡。が、このドライバー、歳とは裏腹に見事なテクニックで犯人を追い詰めると、執拗なまでに犯人を殴る。その姿に異様な執念を感じるトシさん。老ドライバー役には大坂志郎氏。『パパと呼ばないで』や『雑居時代』など、石立鉄男氏のホームドラマでお馴染みだったんですが、それまで僕が見ていた「優しいお父さん」の役柄とは一変、爆発する怒り、ラストの慟哭と、鬼気迫る演技。80年代に入り、それまでのゲスト俳優との絡みより、一係の刑事達の成長へとシフトした中で、大坂氏が久しぶりに本物の芝居を見せてくれました。
第665話「殉職刑事達よ、安らかに」。このエピソードを最終回にしてもよかったのではないかという意見も多くある120分の拡大放送。1冊のスクラップブックがボスに届く。その中には、マカロニ、ジーパン、テキサス、ボン、殿下、スコッチ、ロッキー、ゴリさん、ボギー、ラガーの顔写真と新聞の死亡記事の切り抜き。そして、「これだけ死なせておいてよくもぬくぬくと生きていられるな。死者の怒りを知れ」との文字が。その直後、一係が狙撃され、お弔いの花が届けられます。スクラップブックの送り先の消印は、ボンの実家がある大阪。花はゴリさんの故郷、熊本から。ボスは、捜査対象を遺族とその周辺の人間に絞る辛い決断を下す。このエピソードを見て思ったのは、「親より先に死んじゃいかん」っつー事です。
第672話「再会の時」。一係の仲間を決してニックネームで呼ばす、ボスさえも「係長」と呼ぶクール一辺倒のデュークは、「人は概ね自分の利益のために他人を裏切る」という考えで、他人との馴れ合いを好まない異色の刑事。それは、10年前に失踪した父親と関係があり、その父とようやく再会。息子と違い、父親は同棲している女性のヒモ同然の生活。その父親が事件に巻き込まれ、お互いのわだかまりが解けた時、デュークは初めて笑います。そして、この回から「ボス」と呼ぶ様になりました。父親には金田氏たっての希望で北村和夫氏が配役。事件のキーアイテムとなる壊れた懐中時計は金田氏の私物を使用と、このエピソードには金田氏の思い入れの強さが現れていました。僕、デューク好きなんですよねー。
つーわけで、第678話から最終回、『PART2』の話はまたいずれそのうち機会があれば。あー、語った語った。
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