2017年11月3日金曜日

追悼水木しげるゲゲゲの人生展



 先月末から福岡県立美術館でやっている「追悼水木しげるゲゲゲの人生展」へ行って来た。











 展示物の撮影はNGだけど、最初の展示物がご自分で「国宝」と書いた紙を貼ったヘソの緒を入れた小箱(笑)。幼少期の油絵や抽象画(珍しい!)、戦地で描いたスケッチや母親に宛てた手紙から極貧時代の家計簿まで満載。


 『鬼太郎』だけとっても、貸本時代のダークな『墓場鬼太郎』や、「田中ゲタ吉(鬼太郎の偽名)」が金と女に溺れる青年版『続ゲゲゲの鬼太郎』の原画が直接見れただけでも大満足。珍しくピンク一色に塗られた「一反木綿」も。もちろん他にも『河童の三平』や『悪魔くん』、『コケカキイキイ』、自伝的作品『総員玉砕せよ!』などの戦記モノ、貧乏から逃れようと作風を少女マンガに変えた「水木洋子」名義の作品など、これでもかという貴重な原画だらけで、2時間があっつー間に過ぎていた。水木先生の特徴である精密な背景画や点描なんかは原画で見るとそれはもう恐ろしいくらいの迫力で。

 撮影可能エリアは2ヶ所のみ。ひとつは水木夫妻の部屋を再現した舞台。貧乏時代が長く、ご馳走は八百屋で安価で買えた腐った(「腐りかけた」ではない)バナナ。棚の上には軍艦のプラモデルが置いてあり、そう言えば貸本時代や野沢さんの時の鬼太郎はプラモ作りが好きな子だったなと思い出す。もうひとつは観光地なんかによくあるやつ(笑)。


 15年に亡くなった際に各界から寄せられた絵馬も展示。これもまた高橋留美子、松本零士、魔夜峰央、モンキー・パンチ各先生の描いた鬼太郎や、野沢さん、戸田くん、松岡くん、高山くんら歴代鬼太郎らが名を連ね、目が釘付け。最後の出口には自画像と共に「ではまた、あの世で。いずれお会いできる日を楽しみにしている。」という水木先生らしい一言。

 物販では、主要水木キャラが描かれた限定ポストカード2枚と一反木綿の便箋、それと戸田くんの劇場版DVDを購入(感想はまた後日見てから)。ホンマモンの下駄やちゃんちゃんこまで売ってたのには笑った。下駄の緒が赤いので、たぶん松岡くん(4期)か高山くん(5期)のだと思った。


  こうして見ると、昨今のアナログだデジタルだトレースだ模写だの言ってるのが何の意味もないくらいの迫力で、僕もとにかく描こうと。自分には描く事しかできないし、描く事だけでやってきたので、死ぬ直前まで描こうと思った。12月上旬まで開かれており、前期と後期で展示物を入れ替えるそうなので、また来月行こう。改めて水木先生の凄さを実感した1日でした。いやー、眼福眼福。

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